くらくら、フラフラするだけが貧血の症状じゃありません。
体がだるく、疲れやすい。動悸や息切れがする。あまり食欲がない…そんな症状も貧血の一種です。
あなたも心当たりがありませんか?
貧血は、栄養が不足することで起きることがあります。なかでも一番多くみられるタイプが「鉄欠乏性貧血」で、貧血の70~80%が、鉄分が欠乏するために起きる貧血だといわれています。
鉄はビタミンA、ヨウ素と並ぶ世界の三大欠乏微量栄養素の一つとして問題視されており、その中でも鉄欠乏が最も多く、WHOは鉄欠乏性貧血症の総数は20億人以上と推定しています。
特に、月経による女性の鉄不足、鉄の要求量が増加する妊婦・授乳婦では深刻です。
また、隠れ貧血と言われるフェリチン(貯蔵鉄)不足が近年注目されています。
また、貧血以外でも鉄分不足は様々な症状を引き起こす原因となります。
たとえば、鉄分不足が続くと細胞に酸素が運べなくなるので肌トラブルが起こったり、脳の酸素も足りなくなって脳機能が低下が起きて、不眠やイライラなどにも繋がります。
効率よく鉄分を摂取!
貧血気味…という程度の状態なら、毎日の食生活の改善などで解消できる場合がほとんどです。
ほうれん草が一般的に鉄含有食品として知られていますが、鉄分には二種類あるのことをご存知でしたか?
鉄分には、主に動物性の食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性の食品に含まれる「非ヘム鉄」があります。「ヘム鉄」のほうが「非ヘム鉄」よりも、体内への吸収率が高いといわれています。
それぞれ食品ですと、
ヘム鉄
豚肉や鶏肉のレバー、あさりやしじみ、カツオ など
非ヘム鉄
ほうれん草、小松菜、菜の花 など
一般的にほうれん草には鉄分が含まれているイメージがありますが、ほうれん草の鉄分は「非ヘム鉄」となります。非ヘム鉄は食事で摂っても鉄分の吸収率が1~6%と低くそのままではほとんど吸収されないので、効果的に摂取するにはビタミンCや消化酵素と一緒に摂取する必要があります。
ですが、肉や魚に含まれる「ヘム鉄」は他のビタミンなどの助けを借りなくても、そのまま吸収できるので鉄分吸収率は高く、10~20%となっています。
ヘム鉄が多く含まれている豚レバーで、100gあたり13mgとなりますので100g食べたとしても2mg程度しか吸収できません。
厚生労働省が発表している鉄の食事摂取量の1日目安は以下の通りになっています。
鉄の食事摂取基準(mg/ 日)
男性(mg/日) | 女性(mg/日) | ||||
推奨量 | 耐容上限量 | 推奨量 | 耐容上限量 | ||
月経無し | 月経有り | ||||
0~5(月) | 0.5※ | - | 0.5※ | - | - |
6~11(月) | 5 | - | 4.5 | - | - |
1~2(歳) | 4.5 | 25 | 4.5 | - | 20 |
3~5(歳) | 5.5 | 25 | 5 | - | 25 |
6~7(歳) | 6.5 | 30 | 6.5 | - | 30 |
8~9(歳) | 8 | 35 | 8.5 | - | 35 |
10~11(歳) | 10 | 35 | 10 | 14 | 35 |
12~14(歳) | 11.5 | 50 | 10 | 14 | 50 |
15~17(歳) | 9.5 | 50 | 7 | 10.5 | 40 |
18~29(歳) | 7 | 50 | 6 | 10.5 | 40 |
30~49(歳) | 7.5 | 55 | 6.5 | 10.5 | 40 |
50~69(歳) | 7.5 | 50 | 6.5 | 10.5 | 40 |
70(歳)以上 | 7 | 50 | 6 | - | 40 |
妊婦(付加量)初期 | 2.5 | ||||
中期・後期 | 15 | ||||
授乳期(付加量) | 2.5 |
※厚生労働省 鉄の食事摂取基準2015年度版より
月経ありの女性ですと10mg以上は必要となりますので、食事からだけ摂ろうとするとかなりの量を必要としますし、何よりお金もかかってしまいます…。
食品から良質な鉄分が摂取できるのが一番ですが、そもそも貧血気味だと自分で調理する元気が無かったり、ついつい外食に頼りがちで、食事から必要な栄養素の摂取をすることは難しく、特に鉄欠乏する生理中や妊娠中の女性は、食事の手間を少なく楽をして栄養が摂取できることが最良だと思われます。
バランスのいい食事なんて作ってられるか~!
サプリメントでらくらく鉄不足解消
鉄不足を感じてはいるけれど、毎日定期的に食品から補うことが難しい場合にはサプリメントがおすすめです。
せっかくなので含有量が高い海外製サプリメントをおすすめしますが、WHOの調査によると世界で最も貧血患者が少ない国はアメリカとチリとなっており、海外製の鉄分サプリメントはそこまで種類が多くないというのが印象的で、むしろ過剰摂取を防ぐために鉄が入っていないことを明記している食品もあるといいます。
ちなみに、日本は貧血患者が多く世界で54位となっているのが現状で、日常の食事だけでは鉄分が不足している証拠といえます。そのため、日本では鉄分サプリメントが様々な種類販売されていますので1日の目安量で10mg以上ヘム鉄を摂取できるおすすめのサプリメントをご紹介します。
DHC ヘム鉄 30日分
1日2粒目安 1袋¥450円(税抜)
成分:ヘム鉄1日2粒総重量694mg(内容量540mg)あたり鉄10mg、葉酸70μg、ビタミンB12 1μg
ヘム鉄由来の鉄が10mg含有されていますが、赤血球がつくられるときに必要なビタミンB12が1μgとちょっと少ないかな?と思います。他にサプリメントを飲んでいる方が鉄分をプラスしたい時にはおすすめですが、お茶やコーヒーのタンニンと反応しないヘム鉄ということなので、加工されて何か添加されているのでは…?という気もします。
1日5粒目安 1袋¥3,980円(税抜)
成分:有機生姜末、有機モロヘイヤ、スピルリナ、ハーブエキスパウダー、豚肝臓酵素分解物、マルトデキストリン、アセロラ、ヘム鉄(豚由来)、セルロース、ビタミンC、ビタミンB1、ビタミンB2、ステリアン酸Ca、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸
ヘム鉄が10mg含有されていることは確認できますが、他の栄養素がどの程度の量が入っているかが、サイトには明記されていませんでしたが栄養機能食品として明記されているのでそれなりの量は含有していると思われます。色々な栄養素が入っていて、保存料や着色料などは使用しておらずお高めですが定期購入前提に購入すればかなり安く購入ができます。
1日4カプセル目安 1ボトル¥5,400円(税抜)
成分:鉄 15mg、ビタミンB6 8mg、ビタミンB12 100μg、葉酸200μg
アメリカのダグラスラボラトリーズ社のサプリメントですが、アメリカでは販売していない日本向けの商品とのことです。値段は高いですが、ヘム鉄15mgにビタミンB12や葉酸がかなりの量摂取できるのが魅力的です。定期購入すれば10%offで購入できますが、特に鉄が不足する生理中や妊娠中などの時にスポット的に使うために用意しておくのもありかと思います。
せっかくだから効果的に飲む!
サプリメントは医薬品と違い、飲むタイミングは明記されていませんが、食後30分以内が消化吸収されやすいので飲むタイミングとしてはおすすめです。
また、効果が欲しいからと大量に飲むのは✖です。特に鉄は過剰摂取すると、吐き気・嘔吐・下痢・腸の損傷等の胃腸障害が起きることがありますので、明記されている一日の摂取目安量よりも多く飲んでしまうことは、逆効果なってしまいます。
鉄分サプリメントを飲むときはお茶やコーヒーは✖
お茶(緑茶、紅茶、ウーロン茶など)やコーヒーに含まれるタンニンには鉄分の吸収を阻害する働きがありますので、せっかく飲んだサプリメントの効果が台無しになって「毎日飲んでいるのに効果が出ない…」となってしまいます。
また、カルシウムも鉄分の吸収を阻害しますので、カルシウムが多い牛乳やカフェラテなども避けましょう。
食後にうっかりお茶やコーヒーなどで飲んでしまいそうですが、水道水でも良いので飲む時は水がベターです!
サプリメントを効果的に摂取して、貧血不足を解消しましょう~!
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