今年は新型コロナウィルスが流行し、働くサラリーマンの健康への意識が大きく高まった一年となりました。
特にウィルスや病原菌などから体を守る免疫力の強化に対する関心は高く、これを機に生活習慣を改善し、食生活を見直そうとする動きが強まっています。
免疫力を高めるためにはどんな工夫が必要なのでしょうか。在宅ワークで、外出が減った30代を対象に、家庭内で行える効果的な免疫強化術をまとめてみたいと思います。
ストレス解消が免疫力アップに繋がる
免疫力低下の原因としてまずあげられるのが日々のストレスです。
精神的な疲弊、ストレスが自立神経の乱れを生み、体の免疫力を大きく減退させてしまう原因の一つとなっています。自律神経はそもそも交感神経と副交感神経からなり、体を回復させる大切な働きを担う副交感神経の働きがストレスによって弱まることで、免疫力の低下に繋がります。
副交感神経を安定させるためにも、日々の緊張を緩和させ、リラックスを心がけることが大切なのです。
コロナ禍と呼ばれた今年上半期は多くの人が家庭内での自粛生活を余儀なくされました。そんな中、自宅で仕事をする在宅ワーカーが増加し、新たなストレスの問題を引き起こしています。
出勤時の満員電車のストレスや、会社内での人間関係といった煩わしい日常から解放されることなど、在宅ワークによるメリットも多いのですが、本来リラックスの場となるはずの家の中で仕事をすることで、オンオフの切り替えが難しくなり、これが新たなストレスを生む原因にもなっています。
在宅ワーカーにとって効果的なリラックス方法は、やはり、仕事の合間合間にきちんとした休憩の時間を作ることです。ずっと張り詰めた気持ちで仕事に取り組んでいると、それだけで緊張状態が高まり、ストレスを増加させてしまいます。また、家庭と仕事の場が同じになることで、家事や育児に気を取られ、なかなか集中できないなどのデメリットも指摘されています。
家の中で、ストレスを感じることなく効率的に仕事を行うためにも、仕事をする時間と家事や育児などの家庭のことをする時間をきっちりと区切り、生活のメリハリやリズムを作ることが大切です。
仕事の時間の合間も効率的な休憩をとることでストレスを緩和させ、リラックスして仕事に取り組めるようになるのです。
仕事の合間の休憩時間などを使って、瞑想やヨガを行うことも効果的です。副交感神経が優位な状態では、心拍数が下がり、血圧が低くなると言われています。
ゆったりとした呼吸法を推奨する瞑想やヨガは、心拍数や血圧を下げる効果があり、副交感神経の働きを整える効果があります。瞑想やヨガに限らず、様々な呼吸方法を実践することで、同様の効果を得ることができます。
助骨や背骨の動きは呼吸と常に連動しており、呼吸を整えることが、骨格を整えることに繋がるのです。
自律神経は脳から脊髄を通って全身に伝わっているため、ゆっくりと呼吸をすることで、骨格が整えられ、自律神経を安定させる効果があります。
副交感神経を優位に働かせる方法の一つとして笑顔も重要なポイントになります。
最近の研究ではたとえ作り笑顔であったとしても、がんや細菌に感染した細胞を死滅させる力を持つNK細胞が活性化するという研究結果が出ているそうです。たとえ家の中で1人で仕事をしていたとしても、仕事の合間、また仕事の前後に好きなことをしたり、バラエティ番組を見たり、笑顔を作る工夫をすることによって、NK細胞が活発になり、これが免疫力のアップに繋がります。
食生活の面でも様々な工夫をこらすことにより、副交感神経を優位にすることができます。例えば、ココアやチョコレートに含まれるカカオポリフェノールは疲労回復効果やリラックス効果が高いと言われています。
ジャスミンやラベンダーの香り、テアニンを含むお茶類の摂取なども、副交感神経の刺激に良いとされおり、仕事の合間の何気ない息抜きの時間に、これらを摂取することで、リラックス効果を高めることができます。
腸を健康にすることで免疫力は高まる
肝臓や胃腸の状態を常に健康に保つことも免疫力の強化にとても重要です。特に消化器官である腸は体内にある免疫細胞の7割が集まっている場所とされ、腸内の環境が悪化すると、ウイルスの侵入を妨ぎにくくなり、風邪や病気にかかりやすくなるのです。腸の状態を整えることは、体の疲労感の緩和にも繋がります。
その腸内環境を整えるために良いとされるのが乳酸菌です。乳酸菌は小腸の粘膜を刺激して免疫力を活性化させる効果があります。乳酸菌は毎日摂取することで効果が高まると言われています。
胃酸に弱い特徴もあり、胃酸の影響を受けにくくするため、摂取時間も食後30分以内に設定するなど工夫をすることでより効果的に摂取することができます。
乳酸菌を多く含むヨーグルトや漬物、発酵食品などを毎日食べる習慣をつけることを心がけましょう。
バナナやキウイもまた腸の健康に良いとされています。バナナは豊富な食物繊維や、腸内の善玉菌を増やすフラクトオリゴ糖などが含まれ、腸の調子を整える効果が高いのです。
キウイはさらにバナナ2本分の食物繊維を持つと言われ、栄養価が高いことから、“腸活”の強い味方とされています。キウイひとつでビタミンCとビタミンEを同時に摂取できることも大きなメリットです。ビタミンCとビタミンEを同時に摂取することで、抗酸化作用を持続させる力があります。
抗酸化力は様々な病気の元になるとされる活性酸素を撃退する働きがあり、免疫力強化に欠かせません。
低体温の改善が免疫力アップの鍵になる
近年、免疫力と体温の関係もとても重要だと言われるようになりました。
体温が高いとリンパ球が増え、免疫力が高まるのです。現代人は低体温症の人が多く、これが免疫力の低下に繋がっているのではとの指摘がされています。免疫力は、体温が1℃下がると30%低下し、1℃上がると、5倍、6倍になると言われています。
理想的な平熱は36.5℃~37.0℃とされており、適度な運動をする時間を増やしたり、入浴の仕方に工夫をこらすことで、基礎体温を上げることができます。体温を上げると、血管が拡張し、副交感神経を優位にする効果があるほか、がん細胞を攻撃する NK細胞を活発にする効果も期待できます。
NK細胞は、体温が36.5℃以上だと活発に働くという研究結果も出ています。
体温管理をしていく上で、自分の平熱を普段から正しく認識しておくことも大切です。
一日に一度、ある時間の体温だけを測ってもその人の正しい平熱を知ることはできません。体温は夜間から午前にかけてが低く、午後から夕方にかけて高くなると言われています。また食後すぐは上がりやすい傾向にあり、一日に午前、午後と二度、食前に体温測定をすることで、自分の正しい平熱を認識することができます。
夏場と冬場でも平熱は変化するので、季節ごとに体温を測り、平熱の変化、平均値を知っておくと体温管理をより正確に行うことができます。
平熱を正しく測り、自分が低体温であることがわかれば、低体温改善の努力が必要になります。
低体温は病気にかかりやすくなる以外にも、花粉症や鼻炎などのアレルギー症状を引き起こしやすくなったり、疲労、老化の原因、また便秘、月経不順にも影響すると言われており、30代のうちに体温バランスを正しく整えることが、40代以後の自分の健康状態を良くすることにも繋がるのです。
低体温改善のためにはまずしっかりと運動をすることが大切です。
筋肉は内部に血管が多く、筋肉量を増やすと、温かい血流が体温を上昇させることに繋がります。また、食生活も大切です。体内で熱エネルギーを作るために、ビタミンB1、B2やミネラルを積極的に摂取するようにしましょう。
体温を上げてくれる食材としてはにんじんやかぼちゃ、ごぼうなどの根菜類のほか、肉類ではタンパク質の豊富な豚肉、魚だと、青皮魚であるサバ、サンマ、アジ、イワシ、赤身魚のまぐろ、ぶり、シャケも良いと言われます。また、漬物や納豆、みそ、ヨーグルト、チーズなどの発酵食品も、腸や血流の改善に良く、体を温める働きがあります。
茶葉を発酵させた紅茶、麹を発酵させて作られる甘酒、味噌汁、生姜を使った飲み物なども同様の効果があります。
野菜類の中で、きゅうり、なす、トマト、ピーマンなどの夏野菜は水分を多く含み、体温を冷やす食材としてよく取り上げられますが、決して健康に悪いわけではなく、食べる工夫をすることで、ビタミンCやβカロテン、ビタミンEなどの抗酸化作用を持つ栄養素を効率的に摂取することができます。
夏野菜の調理の仕方としてはできるだけ、温かい料理に取り入れることで、体温を冷やすというデメリットをなくすことができます。
サプリメントの活用でビタミン、ミネラルを補う
日々の食事にいくら気を遣っても、体に必要な栄養素を完全に食事だけで補うのは難しいかもしれません。
そんな時には適量のサプリメントを摂取して効率的に体の栄養バランスを整えることをおすすめします。
特にビタミン、ミネラル、食物繊維、乳酸菌、アミノ酸など、人間が生きるために最低限必要な栄養素を含むベースサプリメントを摂取することは重要です。
免疫機能を高めることに着眼するなら、ビタミンとミネラルは特に大切な要素です。抗酸化ビタミンの代表とされるビタミンA、C、Eは神経細胞内に活性酸素が大量に発生することを抑制する作用を持ち、ビタミンAは細胞の老化を抑制する働きが、ビタミンCは腸の働きを良くする効果が、またビタミンEには血流を良くする働きがあります。
ビタミンB群も新陳代謝の促進や ホルモンバランスの調整などの働きに欠かせない酵素の働きを助ける効果があり、ビタミンDも骨の強化などの働きを持つなど、健康維持や免疫強化に欠かせない栄養素です。
鉄や亜鉛、銅などのミネラルも体の発育・代謝をコントロールする働きがあり、ビタミンとともに最も体に必要なものの一つです。
サプリメントはこれらのビタミンやミネラルなど健康の維持増進のための成分を濃縮し錠剤やカプセルにしたものです。
とても便利で効率的に栄養補給ができますが、使用には注意も必要です。例えば、サプリメントの同時接種に関しては良く組み合わせによって効果が薄れてしまうなどの指摘があります。
処方薬との併用も、組み合わせによっては健康被害を引き起こすなどの報告もあり、事前に良く調べてから使用することをおすすめします。
新型コロナウィルスの影響で、在宅ワークが増えた30代にとって注意すべきは、家の外に出る頻度が減ることによるビタミンDの不足です。
ビタミンDは日光を浴びると皮膚で生成されます。サプリメントを使用し、この不足するビタミンDを効率的に摂取することも免疫強化に必要なことです。
他にも在宅ワークが増えることで運動量が減る、新たなストレスが増えるなどの在宅ワークのネガティブな点を考慮し、ビタミン、ミネラルの不足を補う努力をしましょう。
おわりに
これから秋から冬にかけての気温の変化が激しい季節を迎えます。
コロナの第2波、3波への注意も必要ですが、在宅ワークという仕事環境の大きな変化によって、自身が気づかない間に疲労が蓄積し、免疫力が低下して、ある日、突然大病を患うなんてリスクも十分に考えられます。
仕事に追われ、おろそかになりがちな日々の健康管理を見直し、家の中でできる範囲で、自身の健康維持、免疫強化の取り組みを行なっていきましょう。
20代を不摂生に過ごしがちだった人は特に、30代を過ぎてそのツケが少しずつ体に現れてくる可能性があります。
40代、50代になっても健康な自分を構築するためにも、健康を意識した正しい生活習慣を心がけていくことが重要なのです。
歳を重ねていくにつれて、また、日光を浴びる機会の少ない場合には、積極的な摂取をお勧めします。ダグラスの「ビタミンD 1000 IU」では、実際に使われる形である魚由来のビタミンD3を補うことが可能です。
また、ビタミンDと相性のよいカルシウムを含む食品との併用もお勧めです。
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